【作曲】アイスと雪と僕の冬

音楽の素(歌の情景)

物語:「雪が降る日に」

  1. 子供の頃の冬
    僕は小さな頃、雪が降るのが待ち遠しかった。
    天気予報に「雪マーク」が出るたびに心が弾んだ。
    カーテンを少し開けて、夜中に何度も外を確認する――
    「積もるかな?」って、朝目覚めた時の真っ白な世界が、たまらなく嬉しかった。

外で雪合戦をして、頬が真っ赤になって、手袋はびしょ濡れ。
でも、家に帰れば温かい部屋で食べるアイスが最高だった。
「なんで寒いのにアイスなの?」と母が笑っていたけど、
暖かい部屋と冷たいアイス――その組み合わせが、僕には特別だった。

  1. 大人になった冬
    だけど、大人になると、雪は面倒くさいものに変わった。
    「仕事に行けるかな…電車、止まらないかな?」
    「靴が濡れて冷たいし、道路は滑るし」
    外に出る気力もなく、ただ暖房の効いた部屋で冬をやり過ごす。

気づけば、雪のワクワクなんてもう忘れて、
窓の外の雪景色を見ながら、ため息をついている自分がいた。

でも、ふと冷蔵庫を開けて取り出したアイス。
大人になった今でも、暖かい部屋で食べるアイスは美味しい。
「変わらないな」と笑いながら、少しだけ子供の頃の僕が顔を覗かせる。

  1. 雪をもう一度楽しみたい
    雪が降る夜、僕は久しぶりに外へ出てみた。
    吐く息が白く、顔に落ちる雪が冷たい。
    静かな街、雪が音を吸い込んで、どこか別世界のように感じる。
    遠くの公園では、子供たちが笑いながら雪を投げ合っている――
    その姿がまるで、かつての自分と重なった。

「もう一度、雪を楽しんでみたいな。」
そう思いながら、僕はそっと雪を掴んでみる。
冷たさと温かさが混ざる、不思議な感覚だった。

  1. 冬を満喫する決意
    次の休みの日、僕は新しいマフラーとブーツを買った。
    「冬は出不精になるから」と避けていた外の世界へ、少しだけ出てみたくなった。
    雪の日は憂うつじゃなく、特別な日にしよう――
    あの頃みたいに全力で遊べなくても、
    暖かい部屋でアイスを食べて、
    外の雪をただ静かに眺めるだけでもいい。

「冬も悪くないな。」
子供の頃の記憶と今の自分が、少しずつ重なっていく。
外ではまた雪が降り始め、静かな街を白く染めていく――。

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