【作曲】アイスと雪と僕の冬
音楽の素(歌の情景)
物語:「雪が降る日に」
- 子供の頃の冬
僕は小さな頃、雪が降るのが待ち遠しかった。
天気予報に「雪マーク」が出るたびに心が弾んだ。
カーテンを少し開けて、夜中に何度も外を確認する――
「積もるかな?」って、朝目覚めた時の真っ白な世界が、たまらなく嬉しかった。
外で雪合戦をして、頬が真っ赤になって、手袋はびしょ濡れ。
でも、家に帰れば温かい部屋で食べるアイスが最高だった。
「なんで寒いのにアイスなの?」と母が笑っていたけど、
暖かい部屋と冷たいアイス――その組み合わせが、僕には特別だった。
- 大人になった冬
だけど、大人になると、雪は面倒くさいものに変わった。
「仕事に行けるかな…電車、止まらないかな?」
「靴が濡れて冷たいし、道路は滑るし」
外に出る気力もなく、ただ暖房の効いた部屋で冬をやり過ごす。
気づけば、雪のワクワクなんてもう忘れて、
窓の外の雪景色を見ながら、ため息をついている自分がいた。
でも、ふと冷蔵庫を開けて取り出したアイス。
大人になった今でも、暖かい部屋で食べるアイスは美味しい。
「変わらないな」と笑いながら、少しだけ子供の頃の僕が顔を覗かせる。
- 雪をもう一度楽しみたい
雪が降る夜、僕は久しぶりに外へ出てみた。
吐く息が白く、顔に落ちる雪が冷たい。
静かな街、雪が音を吸い込んで、どこか別世界のように感じる。
遠くの公園では、子供たちが笑いながら雪を投げ合っている――
その姿がまるで、かつての自分と重なった。
「もう一度、雪を楽しんでみたいな。」
そう思いながら、僕はそっと雪を掴んでみる。
冷たさと温かさが混ざる、不思議な感覚だった。
- 冬を満喫する決意
次の休みの日、僕は新しいマフラーとブーツを買った。
「冬は出不精になるから」と避けていた外の世界へ、少しだけ出てみたくなった。
雪の日は憂うつじゃなく、特別な日にしよう――
あの頃みたいに全力で遊べなくても、
暖かい部屋でアイスを食べて、
外の雪をただ静かに眺めるだけでもいい。
「冬も悪くないな。」
子供の頃の記憶と今の自分が、少しずつ重なっていく。
外ではまた雪が降り始め、静かな街を白く染めていく――。
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